運送契約締結時の書面交付義務化

改正貨物自動車運送事業法(令和7年4月1日施行)

トラック事業 令和7年4月施行

📋 制度の概要

運送契約の範囲や運賃・料金の明確化を図るため、運送契約締結時に、運送サービス(附帯業務等も含む)の内容やその対価等について記載した書面の交付が義務付けられます。

⚠️ 重要事項
  • 書面交付は、荷主・トラック事業者双方に義務付けられます
  • トラック事業者が利用運送を行う場合も書面交付が必要です

📝 書面交付の流れ

これまで

荷主 ⇄ トラック事業者

「よろしく」「はい…」(口頭のみ)

これから(令和7年4月1日~)

荷主

「この内容で
お願いします」

書面交付

トラック事業者

「この内容で
運送を行います」

(メールでも可)

✨ 書面化によるトラック事業者のメリット

💰 適正な運賃・料金の収受

契約内容を明確にすることで、適正な対価を確実に受け取ることができます。

🚫 現場でのトラブルの回避

契約にない附帯業務の防止等、現場での想定外の作業要求を防ぐことができます。

⏰ 過労運転等のコンプライアンス違反の防止

無理な時間指定や過度な業務を事前に防ぎ、労務管理を適正化できます。

📋 事故等が起こった場合の契約内容の確認

万が一の際も、契約内容を書面で確認できるため、責任範囲が明確になります。

📄 書面交付の詳細

書面交付の種類

  • 法第12条に基づくもの:真荷主とトラック事業者が運送契約を締結するときの相互の書面交付
  • 法第24条に基づくもの:トラック事業者等が利用運送を行うときの委託先への書面交付
📌 真荷主とは
「自らの事業に関してトラック事業者との間で運送契約を締結して貨物の運送を委託する者であって、トラック事業者以外のもの」を指します。
※元請トラック事業者に運送を委託する貨物利用運送事業者も、真荷主に該当します。

書面に記載する事項

  • ① 運送役務の内容・対価
  • ② 運送契約に荷役作業・附帯業務等が含まれる場合には、その内容・対価
  • ③ その他特別に生ずる費用に係る料金
    (例:高速道路利用料、燃料サーチャージ等)
  • ④ 契約の当事者の氏名・名称及び住所
  • ⑤ 運賃・料金の支払方法
  • ⑥ 書面を交付した年月日

電磁的方法による交付

書面の交付は、メール等の電磁的方法により行うことも可能です。

ただし、電磁的方法により行うことを契約の相手方が承諾している場合に限ります。

📁 保存義務
交付した書面は、その写しを1年間保存しなければなりません。

📧 メール送信の記載例

真荷主 → トラック事業者(メール送信)

トラック事業者 → 真荷主(メール返信)

💡 ポイント
トラック事業者から真荷主に対してメールを返信するときは、真荷主から受信したメールを引用する形で「依頼を引き受ける旨」を記載すれば、返信メールの本文に改めて法定事項を記載し直す必要はありません。

💼 利用運送の場合の書面交付

真荷主元請トラック事業者

↓ 書面交付(第12条)

元請トラック事業者下請トラック事業者

↓ 書面交付(第24条)

下請構造の中にいる貨物利用運送事業者は、委託先への書面交付(第24条)が必要です。

💡 個々の運送ごとに契約の範囲や料金を明確にしましょう!

明確にすべき料金項目の例

⏱️ 待機時間料
(30分~)
📦 積込料・取卸料
⛽ 燃料サーチャージ
🛣️ 有料道路利用料

📚 参考情報

法改正について

貨物自動車運送事業法の改正は、令和6年4月に成立した「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」により行われるもので、令和7年4月1日より施行されます。

📖 詳細情報

改正内容の詳細は、国土交通省ホームページにおいて公表している「改正貨物自動車運送事業法 Q&A」等をご確認ください。