貸切バスの運賃料金のQ&A 最新統一版
運賃料金に関する最新のQ&A集です。全般、割引・割増、経過措置から旅行会社との取引まで、実務で必要となる全項目を網羅しています。(2025年9月26日改定版)
1. 制度全般
ブロック別運賃料金のブロック範囲について
質問
現在のブロック別運賃料金のブロックの範囲は今後も同じか。
回答
原則として2年ごとに運賃・料金制度を見直すこととしており、その際見直す必要があると判断される場合には検討を行う。
新たな運賃料金の届出様式について
質問
新たな運賃料金の届出様式は。届出は義務か。
回答
届出様式については、各運輸局等に確認されたい。届出は任意だが、届出を行わなかった事業者については改正後の「一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の届出及び変更命令の処理要領について」に基づき、変更命令を行うかどうかについて調査を実施する。
営業所の所在地による運賃のばらつきについて
質問
営業所の所在地により運賃にばらつき、不公平さがあるがどう考えるか。
回答
各地域の経済状況や事業者経営状況を勘案して、基準額を算出したものであるため、各地域の実態を反映した運賃と考える。
各運輸局で算出された原価の統一届出について
質問
各運輸局で算出された原価でその管内事業者は統一して届出なければいけないのか。
回答
新たに公示された運賃・料金は、各地域の経済状況や事業者経営状況を勘案して、基準額を算出したものであるため、基準額に統一して届け出る必要はない。なお、基準額を下回る届出については、改正後の「一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の届出及び変更命令の処理要領について」に基づき、変更命令を行うかどうかについて調査を実施する。
特殊な運行で下限を割る場合
質問
養護学校、企業送迎などの特殊な運行で、届出運賃を割る場合はどうすればよいか。
回答
独自に運賃を算定した上で届出を行い、添付された原価計算書等を基に変更命令を行うかどうかについて調査を実施する。
スキーバスなど期間限定の格安運賃について
質問
スキーバスのような期間限定で、オフ時期の格安運賃は届出できるか。
回答
届け出た下限を下回る運賃での運送はできない。
既存契約が自動更新の場合の移行期間について
質問
既存の契約が自動更新の場合、新たに契約しなおす移行期間は。
回答
移行期間は各社が届出で設定する実施日までとなる。(最長11月1日まで)
上限額の概念廃止と審査対象について
質問
令和5年8月の運賃見直しにより、上限額の概念が無くなったので今後はどんなに高い運賃になろうとも基本的には審査対象とならないということか。
回答
貸切バス事業の現状を踏まえると、個々の貸切バス事業者が著しく高い運賃を設定したとしても、競争原理が働くことにより旅客の利益を阻害することにはならないことから、審査対象にはならない。
運送引受書の旧様式使用について
質問
運送引受書の様式改正後、上限額の記載のある様式を継続して使用することは可能か。
回答
様式については、告示で定めることとする(令和6年4月1日施行)。告示施行後については、原則新様式を使用することととするが、システム改修が間に合わないなどやむを得ない理由がある場合は、旧様式を使用しても良い。ただし、旧様式を使用する場合は、混乱を招かないよう、利用者に対しその理由を説明するとともに、記載内容を工夫するなどの配慮が必要となる。
公示から適用までの期間について
質問
運輸局による公示から、貸切バス事業者による届出、新運賃・料金の適用までの期間は。
回答
令和7年9月26日に公示された運賃・料金に係る届出については、令和7年9月26日~10月24日の期間に届け出を行い、11月1日までの間であれば任意の日から適用することができる。
「審査」から「検討・調査」への変更理由
質問
「一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の届出及び変更命令の処理要領について」に記載されていた「審査」を「検討」、「調査」に変更した理由は。
回答
行政手続法上、届出には「審査」という概念がなく、運輸局等が実施するのは届出内容を受けて変更命令を行うか否かの「検討」、「調査」を行うことになるので、記載を変更することとした。
「下限額」から「基準額」への変更理由
質問
「一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の届出及び変更命令の処理要領について」に記載されていた地方運輸局が定める「下限額」を「基準額」に変更した理由は。
回答
地方運輸局が公示する額は、各貸切バス事業者が届け出た運賃額が変更命令の発動を要するものであるか否かを判断するための基準であるため、「基準額」としている。また、各貸切バス事業者が届け出る運賃は「下限額」であり、表現の適正化を図ったものである。
年間契約の改めての届出について
質問
年間契約の届出をしている事業者が新運賃に契約変更した場合、再度年間契約の届出は必要か。
回答
年間契約書に変更が生じた場合には、改めて届出が必要である。
インバウンド臨時営業区域の運賃届出について
質問
インバウンドにかかる臨時営業区域の設定を行う際、改めて当該設定にかかる運賃・料金を変更した旨を届出を提出してもらう必要があるのか。
回答
公示運賃の見直しがあった場合、インバウンドにかかる臨時営業区域において適用する運賃・料金に変更が生じるが、適用できる運賃は本来の営業区域で届け出た運賃か、隣接区域においては当該隣接区域を管轄する運輸局長が公示する運賃のいずれかであり、運輸局は運賃・料金が変更されることは把握できることから、臨時営業区域において適用する運賃・料金について改めての届出は不要である。
2. 割引・割増
下限額以上の運賃と割引設定について
質問
下限額以上であれば相対で決まることになるため、「割引」の設定は不要ではないか。
回答
割引の適用の有無は、事業者の判断であり、割引を適用する場合は割引くことができる限度を示す必要があるため、標準適用方法に「届け出た運賃の下限額を下回らない額を限度とする」と定めているところ。なお、割引を適用しない場合については、独自の適用方法を設定することになるが、割引を適用しないことは事業者の減収にはならないことから、運賃の割引を適用しない場合についても、標準適用方法と同様の扱いとして差し支えないこととする。
割引を適用しない事業者の標準運送約款について
質問
割引を適用しない事業者が標準運送約款を適用している場合、第12条「運賃の割引及び割増し」の削除に係る独自運送約款の変更認可申請は必要か。
回答
必要である。
学生・身障者割引率の削除理由
質問
学生、身障者割引運賃の割引率の記載が削除されたのはなぜか。
回答
割引の適用の有無及び割引率の設定は事業者の経営判断に委ねられるべきものである。なお、割引を行った結果下限額を下回ることは、運賃・料金制度の趣旨を没却することになるため、届け出た下限額を下回る割引はできないこととする。
教育旅行の学生割引について
質問
教育旅行に関しては、積算運賃から更に学生割引を適用するのか。
回答
標準適用方法を適用することを前提とするならばそのとおり。但し、届け出た下限運賃を下回ることはできない。
交替運転者の料金と点呼・点検時間について
質問
交替運転手の料金の22時から5時というのは出庫、入庫する時間も含まれているのか。
回答
交替運転者配置料金は、深夜早朝運行料金の時間帯に点呼・点検を行う場合を含めて、収受するものである。
深夜割増などの料金の届出時設定について
質問
深夜割増などの料金(額)は届出時に設定するのか。
回答
深夜割増運賃、交替運転者配置料金、特殊車両割増料金は適用方に明示して届出いただく。また、ガイド料、宿泊料等は届出の必要はない。
フェリー乗船時の点検時間加算について
質問
休息期間8時間以上確保できるフェリー乗船の場合、運行後、前の点検時間の2時間は加算できるか。
回答
フェリー乗船により運行を終了する時点における乗務後点呼時間及びフェリー下船により運行を開始した時点の乗務前点呼点検時間の2時間を加算できる。
交替運転者配置基準と料金収受について
質問
交替運転手の配置基準は、事業者の社内規定もあるので、合意した中で交替運転手料金を収受することは可能か。
回答
交替運転者の配置基準より厳しい基準を設けている場合において、発注者と合意して収受することは問題ない。
ワンマン運行時の交替運転者配置料金について
質問
最初から交替運転手を配置せず、途中で乗務員を交替してワンマン運行を行う場合は交替運転手料金はどのように収受するのか。
回答
交替運転者が交替地点まで車両に同乗せず、別の交通手段で交替地まで向かった場合は、当該交替運転者を拘束する対価として運行の出発地から車両に同乗したものとみなして料金を適用するものとする。一方で、営業所を複数設置している事業者において、運行途中にある営業所で運転者の交替を行うなど、実質的に交替運転者の拘束が発生しない場合は交替運転者配置料金は収受すべきではない。
3. 経過措置
新運賃・料金適用にあたっての経過措置
質問
新運賃・料金を適用するにあたっての経過措置は如何。
回答
新たな運賃・料金の実施日までに運送の引受を合意した場合には、契約の締結が実施日以降であっても、従前の運賃・料金による額を適用することができる。
ただし、予約や合意の内容に具体性がなく、運行時期や運行内容等が特定できないようなものは有効なものとは言えないと考える。
なお、従前の運賃・料金を適用する場合は、監査の際に従前の運賃を適用したことを監査官に説明できるよう、運送引受書に予約内容がわかる書面も併せて保存しておく必要がある。
修学旅行等の特例措置
質問
令和7年9月の公示運賃改定に係る修学旅行等の特例措置は。
回答
新たな運賃・料金の実施日以後、令和9年3月31日までに実施される修学旅行等にかかる旅行のバスの手配については、新たな運賃・料金の実施日前日までに学校側と旅行業者との間で旅行を催行する旨の合意がなされている場合であって、かつ、貸切バス事業者と旅行業者との間で契約を締結する際に、貸切バス事業者が当該旅行にかかる運送について従前の運賃・料金を適用することを了承した場合には、経過措置の対象とすることができる。
なお、これに該当する運送を引き受けた際は、当該運送であることがわかる書面(受注型企画旅行申込書、手配依頼書等)を運送引受書とともに保存することとする。
経過措置の適用期間について
質問
届出の実施日前の契約で従前の運賃を適用できる経過措置の期間はどのくらい先までの期間で可能か。
回答
新運賃・料金の実施日以前に従前の運賃・料金にて契約が締結されている運送については従来の運賃・料金が適用されることは言うまでもないが、長期契約の場合、社会的経済的事情を踏まえて契約内容を見直すことができる旨の条項が盛り込まれていることもあるので、契約の相手方と新運賃・料金への移行について協議することが望ましいと考える。
届出後の日付・コース変更時の適用運賃について
質問
従前の運賃で契約したもので、届出後に日付、コース等が変更になった場合、新たな運賃料金になるのか。
回答
当初契約日を基準として経過措置を適用して差し支えない。なお、運送申込書/運送引受書を再交付しなければならないような変更である場合には、新運賃により計算するべきである。
代車時の運賃適用について
質問
やむ負えず他社のバス事業者へ代車をした際に、契約が新運賃変更前に契約した仕事であった場合の対応。
回答
発注者と運行するバス事業者との間で新運賃による運送申込書/運送引受書を交付し直すべきである。当日の予期せぬ故障等、真にやむを得ないケースについては、利用者保護の観点から、新運賃との差額負担は本来運行する予定であったバス事業者が負担するべきである。
学校行事での代車時の経過措置について
質問
学校行事として行われる修学旅行等の宿泊を伴う旅行における経過措置について、旅行業者とバス事業者との間で従前の運賃・料金で契約を締結した後、バスや運転者の不足により催行の直前で他のバス事業者へ庸車を依頼する場合、庸車の依頼先の事業者との契約が令和7年11月1日以降であっても、庸車の依頼先の事業者は従前の運賃・料金を適用してもよいか。
回答
本経過措置の対象となる催行であれば、運転者不足等の事由により催行の直前に他のバス会社へ庸車を依頼した場合であっても、庸車の依頼先の事業者が了承すれば、従前の運賃・料金を適用できる。
4. 運賃の適用方法
複数営業所での運行営業所変更時の対応
質問
自社で営業所が数か所あり、実際の運行が契約した営業所から変更になった場合はどう対応すればよいか。
回答
複数の営業所から回送運行する場合においては、実際の運行に沿った運送引受書を交付することが原則であり、遠方の営業所から回送する場合も、当該車両の回送時間、距離も含めて算出するものとする。ただし、当日の予期せぬ故障等、真にやむを得ないケースについては、バス会社が負担すべきと考える。(運送引受書の備考欄にその旨を明記する。)
実際の旅程著しく変更時の差額請求について
質問
受注時における計画(旅程)にて運賃契約し、実際の旅程が著しく変更(時間・コース)された場合、差額請求できるか。
回答
現行の標準運送約款においても、第19条に基づき精算が可能であり、この取扱に変更はない。しかし、回送区間においては、貸切バス事業者と利用者の間で、変更後の金額の妥当性について、合意形成が困難なケースがあることから、当日の道路状況その他の事由により運賃及び料金に変更を生じたときは、追加請求を行わない旨を標準運送約款に明記している。
故障時の代車回送運賃負担について
質問
故障などで、別のバス事業者へ運行をお願いした場合に追加となる回送に係る運賃は、誰が負担するのか。
回答
当日の予期せぬ故障等、真にやむを得ないケースについては、利用者保護の観点から、追加となる回送運賃は本来運行する予定だったバス事業者が負担すべきと考える。また、標準運送約款上も、当日の道路状況その他の事由により運賃及び料金に変更を生じたときは、追加請求を行わない旨を標準運送約款に明記している。
行程のキロ数・時間の誤差について
質問
申し込みの行程に対する計算上のキロ数、時間で誤差はどの程度認められるか。
回答
恣意性を排して作成した行程(例:一般的に使われている地図アプリや運行管理ソフト等を用いたうえで、一般的に想定される渋滞を意図的に考慮しないといったことをせずに作成した行程)であれば、実際の運送とキロ数、時間が多少異なっていても問題ない。ただし、行程作成時と異なるルートを走行したり、渋滞等に巻き込まれたことによりキロ数、時間に変更が生じた場合は当然精算の対象となる。
スクールバスの待機時間について
質問
スクールバスなどの朝・夕のみの運行の場合、利用しないで待機する時間は拘束時間から排除すべきか。
回答
待機した時間は時間制運賃を収受する。ただし、改善基準告示でいう休息期間を与えた場合には、当該時間は走行時間から除くことが出来る。
スクールバスの時間計算方法について
質問
スクールバスで午前3時間、午後3時間で日中は車庫に戻る運行は、午前5時間、午後5時間で算出するのか。
回答
スクールバス運送は、学校などの児童生徒等の登下校時に運送され、かつ、登下校時の間に帰庫するという運送形態を踏まえ、1日に行われる当該運送を1つの運送として特別の計算方法により適用することができます。詳細は運輸局等に確認されたい。
仕事をかみ合わせた場合の回送の考え方
質問
仕事をかみ合わせた場合の回送の考え方。
回答
仕事をかみ合わせたことにより、運送申込書/運送引受書がどのように記載されることとなったのか、その記載内容により収受すべきである。詳細は運輸局等に確認されたい。
宿泊を伴う運行の運賃計算方法
質問
宿泊を伴う運行の運賃の計算方法は。
回答
宿泊場所到着後1時間、翌日の宿泊場所出発前1時間ずつを、点呼・点検時間として時間制運賃に加算する。点呼・点検時間を除く宿泊中は、休息時間として運賃計算の対象とはならないが、宿泊に伴う実費料金は収受すべきである。
日帰り遠足等で中抜けになる仕事の算出方法
質問
日帰りの遠足等で中抜けになる仕事の算出方法。
回答
待機した時間は時間制運賃を収受する。ただし、改善基準告示でいう休息期間を与えた場合には、当該時間は走行時間から除くことが出来る。
2泊3日で中日に運行がない場合の運賃について
質問
2泊3日の運行で、中日は全く運行せず、乗務員がホテルで待機している場合、中日の時間制運賃は収受できるのか。
回答
運転者が乗務・運行せず、ホテルで単に待機している場合は、中日の時間制運賃は収受できない。なお、中日の運転者拘束に係る実費相当額を収受することは差し支えない(届出不要)が、料金表を明示する等、発注者に説明した上で収受願いたい。
運賃表示の単位について
質問
最終的に10円単位で四捨五入となっているが、実際に10円単位まで運賃表示しなければいけないのか。
回答
公示運賃により届出を行う場合、運賃表示は10円単位となる。ただし、下限運賃で計算した額を下回らなければ、千円以下切り捨て等で請求することは差し支えない。
自社都合で車両変更の場合の追加運賃について
質問
バス事業者の自社都合で、中型だったものが大型になった場合は追加運賃になるか。
回答
利用者保護の観点から、自社都合の場合に追加運賃を請求することは適切ではないと考える。
5. 旅行会社との取引
ガイド料などの実費料金と旅行会社の手数料について
質問
ガイドなどの実費料金から旅行会社が手数料を収受することはできるのか。
回答
ガイド料など貸切バス業者が立て替えただけの実費に対して貸切バス業者が旅行業者等に手数料等を支払っている場合は、道路運送法第9条の2第1項の運賃料金変更事前届出違反に該当する。
旅行会社の手数料に関する法的な縛りについて
質問
旅行会社の手数料に関して法的な縛りはないのか。新たな運賃料金に移行するにあたり、手数料を上げれば現状の運賃と変わらなくなる。法外な手数料アップについては対策を考えられているか。
回答
手数料の収受については当事者間の契約によるものであり、それ自体が問題になるものではないが、安全を阻害する過大な手数料については運賃の割り戻し違反に該当する。具体的には、令和7年6月に貸切バス業者に義務付けた原価報告書を基に契約運賃から手数料等の額を控除した結果、当該報告書に基づく一運送に必要な安全コスト額を下回っている場合、運賃の割戻しの対象となる。
手配旅行での旅行会社の運賃設定について
質問
手配旅行において、旅行会社がバス事業者と契約した運賃以上の運賃をお客様へ提示し、収受することは問題ないか。
回答
旅行会社が、手配旅行において、貸切バス事業者が契約時に運賃として提示した金額を増額し、運賃として旅客に請求することは想定されない。なお、運賃に手数料を付加して旅行代金として旅客に請求することはあり得る。
旅行会社の運賃違反の罰則について
質問
旅行会社の運賃違反の罰則の具体的内容は。
回答
貸切バス事業者の届出運賃違反について、旅行業者の関与が疑われることから、物流・自動車局から観光庁に通報した場合、旅行業法に基づき立ち入り検査等を行い、違反があれば行政処分を含めた対応が行われると承知している。
手数料額の書類保存について
質問
改正運輸規則第7条の2第3項の「その額を記載した書類」を、運送引受書とともに保存することになったが、添付する書面は手数料額ではなくて、手数料率ではだめか。
回答
手数料額が確認できる書類を保存しなければならない。なお、手数料額には手数料率も含むものとする。詳細は運輸局等に確認されたい。
6. 行政の入札
入札時に詳細な行程が未決定の場合
質問
入札時に詳細な行程が決まっていないものについては、最大の使用条件での入札料金にすべきか。
回答
運賃計算が可能となる行程を求めることが必要であり、届出運賃に基づく範囲内により計算した入札額にするべき。
下限割れ疑いの相談・通報窓口について
質問
入札等で同業者として下限割れの疑いが生じた場合に相談・通報等窓口は設置するのか。
回答
最寄りの運輸局等又は運輸支局等に相談されたい。
スクールバス運賃上昇による弊害への対策
質問
スクールバスなどの各自治体との契約運送などの運賃が急激にアップすることにより、自家用バスの購入やレンタカー利用、白バス行為の横行などが想定される。対策などは考えられているか。
回答
白バス行為については、従前から警察と連携して取り締まりを行っているところであり、引き続き対策に取り組んでいく。
行政協力での採算割れ運行について
質問
地方の行政にお願いされ、採算割れしても協力し続けて観光バスを運行しているが、今後も協力したいと考えているが、新運賃になるともう不可能か。
回答
自社が届け出た運賃・料金にて運行されたい。
行政からの実証実験の委託について
質問
行政からの委託で安価な実証実験での運行をお願いされた場合はどう対応すればよいか。
回答
自社が届け出た運賃・料金にて運行されたい。
下限割れ落札の入札し直し要求について
質問
入札等で下限割れ運賃で落札した事業者があった場合、行政に入札し直しを訴えることはできるのか。
回答
入札し直しができるかどうかはコメントする立場にない。
7. その他
新高速乗合バス受託時の運賃適用について
質問
新高速乗合バスの受託をしているが、新たな運賃料金になった場合はどちらの運賃で算出すればよいか。
回答
委託料については、その算出方法等を示す書類の添付を求めることとしているが、貸切バスの公示運賃を根拠として委託料を算出することを妨げるものではない。
出発地が遠い事業者の運賃不利について
質問
出庫から入庫までで運賃計算を行うが、出発地から遠い事業者ほど運賃が高くなり、相見積もりで不利になってしまう。救済措置はあるか。
回答
本制度は運行にかかる経費を元に運賃を算定することとしているため、出発地から遠い事業者ほど、経費、そして運賃が高くなることはやむを得ないと考える。なお、営業所の新設は自由に行えることから、事業を経営するうえで必要であれば営業所の新設を検討されたい。
従業員の冠婚葬祭でのバス利用と特別運賃について
質問
労使協定の中で、従業員の冠婚葬祭でバスを利用する際に、特別運賃を定めている。どう対応すればよいか。
回答
自社内の話であり、当該事業者の判断に委ねるべきと考える。
兼業旅行会社による抜け道防止について
質問
旅行会社を兼業するバス事業者は、包括旅行で契約の際、新運賃制度を遵守しない抜け道になるのではないか。
回答
貸切バス事業者は、運送申込書/運送引受書に記載の運賃・料金を収受することとなる。
8. まとめと重要な更新点
最新版(全国統一版・2025年9月26日改定)の主要な変更点は以下の通りです。
原価報告書の義務化
令和7年度から毎事業年度の原価報告書提出が義務付けられました。これにより安全運行に必要なコスト構造が明確化されます。
修学旅行等の経過措置拡大
新たに「修学旅行等」に拡大し、令和9年3月31日までに延長されました。学校行事の円滑な実施に配慮した措置です。
庸車(代車)制度の明確化
修学旅行に限定して直前での代車対応が容認されました。運転者不足時の対応が一定条件で認められます。
手数料規制の強化
原価報告書を基に安全コスト額を下回る手数料は違反対象となりました。不正な利益調整が防止されます。
年間契約届出の厳格化
契約書に変更が生じた場合は改めて届出が必要です。契約内容の透明性が向上します。
自動更新契約の移行期間明示
「11月1日まで」と明示されました。事業者の計画的な契約更新が可能になります。
公示日程の確定
令和7年9月26日に新規則で公示、届出期間は9月26日~10月24日、11月1日適用開始と明確化されました。
運賃見直しの理由明示
「運転者の担い手不足解消」と「賃金水準の全産業平均への引き上げ」を明記。制度の透明性が向上します。
共通する重要ポイント
- 下限額は絶対:どのような特殊運行でも下限額を下回る運賃は違反
- 利用者保護優先:自社都合の追加費用や代車費用は本来の事業者負担
- 割引・割増の裁量:上限廃止で事業者判断に委ねられた
- 競争原理:著しく高い運賃も審査対象にならない
- 契約の具体性:経過措置適用には契約内容の具体性が必須
- 監査・説明責任:監査時に経過措置適用の根拠となる書面の保存が必須
このQ&A集は、国土交通省からの公式な情報を基に作成されています。実務上の判断については、最寄りの運輸局等に確認されることをお勧めします。